JAAMA 全国自動車用品工業会

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橋本愛喜氏「机上と現場の温度差」
現場のルールは現場を知らない人によって作られる

全国自動車用品工業会(菱田保之理事長)の経営委員会および流通委員会は、2022年7月6日(水)、千代田区麹町の海事センタービルにおいて、特別講演会「机上と現場の温度差」を実施した。
同講演会は、2月の通常総会と同時開催される講演会が新型コロナ感染拡大の影響で延期し、スライド開催されたもの。講師はフリーライターの橋本愛喜(はしもとあいき)氏。同氏は元工場経営者で女性トラックドライバーとしての経歴を持ち、実体験に基づいたトラックドライバー目線での著述、講演は定評がある。
講演テーマである「机上」は理論上の考え方、「現場」は現実に起こっている様々な諸問題。現場の問題をしっかり理解せずに作った制度や施策が現場と乖離し機能不全に陥っていることを具体的に紹介した。
トラックドライバーに対する批判の対象になることが多い路肩の駐車問題。特に高速道路における駐車問題は、深夜割引制度(深夜0時から4時までを適用範囲とする高速道路料金の割引制度)が引き金になり、長時間駐車して時間を費やさなければならなくなり、トラックドライバーの労働環境を劣悪にしているとする。これを例に「現場のルールは現場を知らない人によって作られる」と説いた。
働き方改革で施行までに5年間の猶予期間をもらった物流業界にとって、待ったなしの問題となる「2024年問題」については、各種データを使って労働基準法を逸脱しているトラックドライバーの劣悪な労働環境を紹介し、聴講者に理解を求めた。

実体験に基づいた現場目線で講演する橋本愛喜氏

会場の様子